オーディオ界の常識に物申す

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説明

Webmasterは、「電磁石スピーカーの電圧駆動は、物理学の法則を無視している」と主張しています。 しかし、オーディオ界の反応は冷たいもので、いまだに電圧駆動を推しています。 ここでは、オーディオ界の常識に盾突きます。

Webmasterの疑問は30年前から

Webmasterがスピーカーやヘッドフォンを電流駆動すべきだと考えたのは、大学でMaxwellの電磁気学方程式を習ったときです。 1984年のことですから、もう30年以上前になります。 その後SONYに新入社員として入社した1989年に先輩社員に疑問をぶつけてみたのですが、「お前はオーディオ界の常識である電圧駆動に歯向かうのか?」と集中砲火を浴びました。 その後30年近くを重ねて、ようやく自分の理論を自分のハンダゴテで証明するだけの実力を身につけることができました。 他にもいろいろオーディオ界の常識を理論を用いて否定しているので、メーカーエンジニアやオーディオの学会からは嫌われています。 未だに「スピーカーは電圧駆動すべき」と言っているエンジニアもいますが、Maxwellに(すなわち物理学の常識に)楯突いているようにしか私には見えません。

オーディオ界の常識と物理学の常識が矛盾していますが、webmasterは物理学の方を支持します。 Webmasterよりも有能なエンジニアたちや、オーディオメーカーの経営者や、オーディオ学会の重鎮までもが、物理学に反してでもオーディオ界の常識を貫きたいと主張するのはなぜなんでしょうか。 しかも間違いを指摘されるとすぐに腹を立てるし。 これではオーディオ界がネットワーカーにバカにされるのも、当たり前です。

オーディオ界のありがちな反応への反論

いまだに電圧駆動を推している例としてブログの スピーカの電流駆動は理想か を例にとります。 このブログ筆者さんとは面識もなく、利害関係もありませんが、オーディオ界の典型的な反応例として引用します。

引用1 「ネット上には簡単な改造でアンプに電流帰還を追加し、「こんなに音が良くなりましたよ」という実験記事をみかけることがある。これは本当に音が良くなったといえるのだろうか。」
疑問を持つことには、異議を唱えません。 全ての自然科学は、疑問を持つところからスタートして、観測して、実験して、理論を組み立てて、結論に至ります。 過去の自分の主張の間違いを認める勇気も必要です。 ただこのブログは、冒頭の疑問「音が良くなったといえるのだろうか」に対する結論を直接的な文章では述べていません。
引用2 「フルレンジスピーカを電流帰還して鳴らすと、f0や高域などインピーダンスの高いところで音圧レスポンスが上昇し、図のようにドンシャリ型の周波数特性になる。  そのためレンジの狭い小型スピーカでは、あたかも音質が良くなったように錯覚してしまう。」
絶版書籍からグラフを引用していますが、元の文献にあたることができないので測定条件が不明です。(2018年7月17日追記 国会図書館で参考文献を確認してこの後に議論を追加しています) 縦軸目盛りに「音圧相対レスポンス」とあって、絶対音圧を測っていないようです。 何に対する「相対」なのか不明です。 Webmasterの経験上、「フルレンジスピーカを電流帰還して鳴らすと、f0や高域などインピーダンスの高いところで音圧レスポンスが上昇し」というところには合意できます。 機械で測定していないので説得力は半減しますが、自前のフルレンジでは「ドンシャリ型の周波数特性になる」のではなくて、「低域、高域の音圧が落ち始める周波数帯域が改善される」ように聴こえています。 「レンジの狭い小型スピーカでは、あたかも音質が良くなったように錯覚してしまう」のではなくて、「電圧駆動ではフルレンジの帯域を狭めていたが、電流駆動で改善した」と考えています。 電流駆動では、たしかにf0付近の音圧が上がりすぎてしまう欠点をもつことは、なぜ電流帰還アンプにこだわるのか?に書きました。 電圧駆動に比べれば少ない欠点であり、現代のエンジニアが本気を出せば解決できると信じています。
引用3 「ほとんどのHi-Fiスピーカは定電圧駆動で音圧レスポンスがフラットになるよう作られているから、電流帰還をかけると特性そのものが崩壊する。レンジが不足する小型スピーカでラウドネスをかける替わりにやるのはいいが、Hi-Fiスピーカに適用するのはムリ。」
このブログでは「電圧駆動」「電流駆動」の前に「定」の文字がついていますが、意味不明なので「定」の字がついていないつもりで読み進めます。 スピーカーにDCをかける話ではないですよね。 「ほとんどのHi-Fiスピーカ」が何を指しているのか定義されていないので想像するしかありませんが、マルチウェイスピーカーを電流駆動するときは設計変更が必要だと 電流帰還アンプに合わせたスピーカー設計に書きました。 「レンジが不足する小型スピーカでラウドネスをかける」必要があるのは、電圧駆動の欠点だと思われるという指摘もしました。
引用4 「電圧帰還は速度帰還と同じだからダンピング(制動)がかかる。しかし、加速度(質量)は補償しないので過渡応答は改善しない。  電流帰還すると電圧帰還で改善できなかった「過渡応答」を改善できる。しかしダンピング(制動)がかからないので、先に書いたようにスピーカーの特性が崩れ、フラットでなくなってしまう。」
この文章webmasterには意味不明です。 どなたかオーディオ用語に詳しい方がいらっしゃいましたら、オーディオ界で言うところの「制動」「加速度」「質量」「補償」「過渡応答」が物理学のどの概念に相当するのか説明してください。 電流駆動で物理学用語の「定常状態」が改善する話は、 スピーカーの電流駆動理論に書きました。 「スピーカーの特性が崩れ、フラットでなくなってしまう」のは、電圧駆動でのフルレンジだという話もしています。
引用5 「スピーカから設計通りの音を出すためには、今まで通りダンピングファクター(DF)が低下しないよう、スピーカーケーブルの抵抗を減らすのが正しい。」
ダンピングファクターとスピーカーケーブルの抵抗の話を無視すれば、「スピーカーから設計通りの音をだすために、電圧駆動すべき」という意見には同意します。 Webmasterの指摘は「アンプもスピーカーもそもそも設計が間違っている」「今の設計ではいい音が出るはずない」という点です。

引用2の参考文献について 2018年7月17日追記

引用2の参考文献を、国会図書館まで行って確認してきました。 やはり、参考文献の測定方法が間違っていました。 8-1節『定電圧駆動について』のP.172の図を全部引用します。

図の2と3が測定のブロック図です。 発振器はsin波を発振します。 コンプレッサーは、出力レベルを調整するために電圧で制御するアッテネーターですね。 おそらく、出力からとってきた電圧の絶対値を時間積分平均してアッテネーション値をコントロールするのでしょう。 パワー・アンプは、電圧帰還のアンプと思われます。 もしかしたら、無帰還かもしれません。 3の図で r >> |Z| とありますから、2の駆動電圧振幅に比べて、3の駆動電圧は高くなっているはずです。

測定は、書籍が出版された1980年以前に行われたものでしょうから、現代の高性能なOPアンプで電流帰還アンプを作るようなことができなかったと思います。 1980年代にはしょうがなくても、2004年に書かれて2018年に更新されたブログで主張の根拠とするにはあまりにも杜撰です。 どこが杜撰かは、電流帰還に文句をつけるぐらい有能なエンジニアならばインピーダンス計算ができるので、webmasterが指摘しなくてもわかりますよね。

さらに付け加えるなら、参考文献を記述したのは三菱電機の技術者グループです。 体育会系の価値観で、暴力、パワハラ、横領、精神論でエンジニアを痛めつける会社ですよ。 ダイヤトーンのスピーカーといえば、1990年代までTVCMで砂丘にキャビネットを埋めて直接音を測定するシーンを流していました。 こんな書籍は、このページに限らず書いてある事自体信用できません。

引用2の参考文献について2 2018年7月20日追記

参考文献の測定グラフについて納得行かないところがあるので、さらに考えてみました。 納得行かないのは、グラフがやたらデコボコしていることです。 最初は、単なる測定誤差かと思ったのですが、2種類の測定で同じ周波数に局所的なゲインのピークが出てきます。 もしかしたら、測定に使用したスピーカーがフルレンジではなく、電圧駆動向けにチューンして周波数が高いほど能率も高くなるマルチウェイかもしれません。 この推測が正しいとすると、三菱電機のエンジニアは、電圧駆動向けにチューンしたスピーカーで「電圧駆動の出力はフラット」という結論を出していたわけで、出来レースですね。

SONYのエンジニアは自称有能にも関わらずわざと嘘をつきますが、三菱電機のエンジニアは、自分が何をやっているか考えずにバカをやっていた可能性が大です。

経営者目線で言えば、有能な人間がわざと嘘をつこうが、無能な人間がバカをやろうが、結果は同じなので違いはありません。

引用した部分を補強する意見 2018年7月27日追記

引用した部分を補強する意見をネットで見つけました。 uchujin_kさんの知恵ノートのlm675tのアンプを から引用します。

uch********さん

2016/2/2114:49:24

消された知恵ノートも、もしかすると、定電流駆動という商品を販売している輩からの圧力なのでしょうか?

極論を述べます。ボイスコイルの直流抵抗などを無視すると、ボイスコイルが磁界中を動くことによって発生する電圧と駆動電圧が一致。つまりコーン紙の移動速度は、駆動電圧に比例するわけです。決して電流に比例するわけではありません。そして、スピーカーとして主に利用される領域は、振動版の速度と音圧が比例する周波数帯域。これは、録音時のダイナミックマイクと同じです。

● マイクが受ける音圧
● マイクの振動版の速度
● マイクから発生する電圧
● スピーカーにかかる電圧
● スピーカーのコーン紙の移動速度
● スピーカーの発生する音圧

この6つが出来るだけ比例するように考慮されてきたのが音響工学の文化。
「入力信号に比例した出力電流を流し、ローレンツ力(無関係)が比例するように」という製品があることが不思議です。

「ボイスコイルの直流抵抗などを無視すると、ボイスコイルが磁界中を動くことによって発生する電圧と駆動電圧が一致。つまりコーン紙の移動速度は、駆動電圧に比例するわけです。決して電流に比例するわけではありません。」という部分は、明らかに物理学の法則を無視しています。 何を根拠にこんな発言が出てくるのか不明です。 そもそも「コーン紙の移動速度」に着目する必要がわかりません。

Webmasterが勝手に想像すると、「磁場を横切る導線に生じる誘導起電力」の話をしているのかもしれません。 でも「磁場を横切る導線に生じる誘導起電力」は、閉回路を横切る磁束が時間変化する場合にのみ成り立つ式であって、スピーカーユニットの磁気回路が理想的に配置されていれば、フレミング左手原理だろうと電磁石原理だろうとボイスコイルを横切る磁束は変化ゼロです(軸方向の磁束変化も半径方向の磁束変化も)。 理想的ではないから若干変化するにしても、ボイスコイルの挙動を左右できるほどの大きさではありません。 反論したければ、実際に誘導起電力を測ってみてください。

「そして、スピーカーとして主に利用される領域は、振動版の速度と音圧が比例する周波数帯域。」とする根拠が不明です。 気体分子の力学か、流体力学の法則から「速度と音圧が比例」部分の法則が導けるのでしょうか。 Webmasterには初耳です。 てっきり、振動板が押しのけた気体分子が疎密波を発生させているのだと思っていました。 振動板が押しのけた気体体積を時間微分すると、振動板面積一定だから振動速度に比例するという話ならわからないこともありません。 どうしても「速度=音圧」と言い張ると、「振動板振幅と入力周波数が共通ならば振動板径が5cmでも30cmでも、速度が一致するので音圧が等しい」という話になりますけど。

「この6つが出来るだけ比例するように考慮されてきたのが音響工学の文化。」という意見は、音響工学界の共通見解なのでしょうか。 「マイクの振動板の速度」とか「スピーカーのコーン紙の移動速度」とか言っている時点で、と学会行きの無理筋なんですけど、物理学に楯突くのが音響工学なのですか? Webmasterには、「移動速度」ではなくて「振幅」が大事に思えるんですけど。 音響工学には無知なwebmasterに、だれか資料を提示してください(2019年6月22日この先に追記しました)。

結びの文に『「入力信号に比例した出力電流を流し、ローレンツ力(無関係)が比例するように」という製品があることが不思議です。』とありますが、納得行くまで勉強すれば不思議ではなくなります。 考え方の間違いは、ここで指摘済みです。

2019年6月22日追記

今日本屋で、コロナ社刊城戸健一著『音響工学』のP.96に、「均一磁界中のコイルの起電力電圧はコイルの移動速度に比例する」と解釈できる記述を発見しました。 本当に音響工学は物理学に喧嘩を売っているようです。 今度、国会図書館で音響工学関係の書籍を読み込んで、ここで晒してみます。

2019年6月30日追記

音響工学の書籍を調べて、主張の間違いを 音響工学者は電磁気学がチョー苦手に書きました。

ボーっと生きてんじゃねえよ! Don't sleep through life! 2018年7月28日追記

Webmaster 5さいからのお便りを紹介します。

『Maxwellの電磁気学方程式も変形したことがないのに、やれ「電圧帰還は速度帰還とおなじ」だの、やれ「速度を補償する」だの物理学を無視したポエムをつぶやくオーディオマニアのなんと多いことか。

しかしwebmasterは知っています。 スピーカーから出てくる音量は、入力した電流に比例することを。』

2019年3月11日追記 諸説あります

電圧駆動がよいとか、電力駆動がよいとか諸説ありますが、自然科学の理論なので正しいのは一つです。

電流駆動に対する惜しい挑戦 2018年8月12日追記

「電流駆動すべき」というwebmasterと同じ出発点から出発し、失敗した人の記録を見つけました。

電流でスピーカーを駆動して音楽を聴いてみる実験です。

写真に写っている手書きの回路図は、シンプルな回路で入力電圧に比例した電流が流れそうです。 ただし、電圧と電流の符号が逆転すると、この回路は期待通りに働きません。 負荷が純粋抵抗なら問題ないのですが、インダクタンスを含むスピーカーには向きません。 試した人も「一言で言うと、ポンポンカンカンとした締りの乏しい音です。通常の電圧駆動に比べると耳障りな感じです。」という感想を述べています。

トラ技2018年10月号第5章 2018年11月4日追記

トラ技2018年10月号第5章にも、電圧駆動を推奨する解説記事が載ったので、 こちら で解説しておきました。

まだまだ根強い電圧駆動 2018年11月4日追記

2018年11月現在、Googleで『電流駆動』を検索すると、まだまだ電圧駆動の方を推す文章が見つかります。 検索結果の上位に出てくる リタイア爺様のオーディオ特別講義 に反論してみます。

主張のほとんどはトラ技と同じですが、こちらは逐語的に添削してみます。

  • 主張1 『入力電力量と、変換される音圧量は比例する事が必須要件です。』
  • 反論1 Maxwellの方程式を変形すると、スピーカーコーンを駆動する力が電流に比例することがわかります。 なお、エレクトロニクスの世界でインピーダンス計算している限り、スピーカーから出ていく音圧エネルギーは扱えません。 スピーカーコーンに力が加わり、サスペンションのバネを動かし、大気の分子を押しのけるとき、スピーカーユニットは外に対して仕事をしてエネルギーを消費します。 電圧駆動ならば仕事の分電流が減り(2018年11月5日追記 注を参照)、電流駆動ならば仕事の分電圧が余分に必要となります。 この話は、大学理工学部で習う電磁気学の範囲を超えているので、自分で考えた人にしかわからないところです。 大学で習わなかったのを良いことに、webmasterよりも有能な人たちはみな嘘をつきます。
  • 主張2 『この場合電気的には、AMP側から見たスピーカー・インピーダンスは、高い周波数程大きくなる。これがオームの法則ですよね。』
  • 反論2 インピーダンスが周波数によって大きくなるのがオームの法則ではありません。 インピーダンスのうちL成分が作り出すインダクタンスは、周波数に比例します。 同じ電流を流すのにより大きな電圧を必要としますが、電圧を下げれば逆方向に電流が流れてインダクタンスに蓄えられたエネルギーはアンプに返ってきます。 この部分で、複素数で表現すべきインピーダンスを実数表記にしてしまっているので、ここから先でインダクタンスとレジスタンスを混同することになります。
  • 主張3 『まずスピーカー・インピーダンスの例を下図に示します。』
  • 反論3 インピーダンスグラフの出処が不明です。 カーブの描き方から見て、3wayスピーカーに見えます。
  • 主張4 『つまり入力される電流量は、電圧が一定ならインピーダンスが高くなる程、駆動電流量が低下する・・ 従って、入力されるエネルギーは高域で低下する。(当然の物理現象です)』
  • 反論5 インピーダンスを実数表記してしまったため、電圧と電流に位相差が発生することに気づいていません。 また、スピーカーに送ったエネルギーが全部音に変わるかのような勘違いをしていますが、スピーカーに送ったエネルギーは、「抵抗で熱に変わる成分」「インダクタンスが一時的に蓄えてあとからアンプに返ってくる成分」を含みます。
  • 主張5 『入力電力量に比例する形で音圧が発生するのは、スピーカー振動板の移動量によります。』
  • 反論5 反論4に書いたように、アンプが送り出したエネルギーのうち、音圧に変わるのは一部です。
  • 主張6 『f0領域で、最大振幅になると、磁界が及ぶ範囲内でボイスコイルの移動量も最大になります。 この場合、電気的にはインピーダンスが最大になる事と等価です。』
  • 反論6 メカニカルな共振現象をエレクトロニクスの世界で説明しようとするから、自ら迷路に入り込んでいます。 機械共振とインピーダンスは分けて考えるべきだと主張します。 もしも、機械共振による能率向上を電圧駆動が平滑化しているのだと仮定したら、インピーダンスグラフ上で共振によるインピーダンス上昇の幅が広いのはなぜでしょうか? f0=50Hzのとき、50Hzの駆動エネルギーは減らせるのかもしれません。 でも51Hzを出力しようとしたら、共振と信号が一致する強化と、共振が信号と打ち消し合うタイミングが、1秒間に1回づつ交互に発生するはずです。 強化と打ち消しをプラスマイナスすれば、供給すべきエネルギーは減らないように思えませんか?
  • 主張7 『結論から申せば、スピーカー固有の電気的インピーダンス特性に合わせた、電流量(電力)を供給した時、はじめて周波数方向の音圧特性が、入力電力量に比例する形に設計されている。 つまり、周波数軸上の音圧特性がフラットになるように、サスペンション系と振動板をチューニングしている。 入力電力量が、周波数軸方向で比例しなくても、音圧は比例するように、機械的インピーダンス特性をマッチングさせる設計を行う。』
  • 反論7 電流駆動ならば、フルレンジでもワイドなf特で自然な音が出せたのです。 電圧駆動をカバーするために高域ほど能率を高めなければならないから、様々な工夫が必要になったのです。
  • 主張8 『スピーカーの根本的な振動特性として、高域側振動領域では振動板が軽い故に、音響変換効率が高く、周波数が低い領域では振動板が重い故に、変換効率が低いと言う基本特性があります。 』
  • 反論8 原因と結果が逆で、高域に行くに従って駆動電流が減る電圧駆動をカバーするために、高域ほど能率が高いユニットを必要としていたのです。
  • 主張9 『特にフルレンジ型スピーカーでは、ネットワークの代わりに、振動系の機械インピーダンスをチューニングして、音圧周波数特性を合わせ込む必要がありますので、これを無理やり定電流駆動すると、高音側の音圧が高くなり過ぎ、』
  • 反論9 フルレンジを電流駆動すると、素直な特性になります。 電圧駆動よりもf特がフラットになりますし、音色もより自然に聴こえます。 機械インピーダンスをチューニングする必要があるのは、電圧駆動で高域の電流が減るからです。無理やり駆動しているのは、電圧駆動の方です。
  • 主張10 『f0付近で定電流駆動すると、振動板の移動量はサスペンションの支持限界を超え、ボイスコイルが磁界からはみ出し最終的には、磁気回路の金属板に激突する事になります。(これを底突きと申します)』
  • 反論10 Webmasterの試した範囲内(10W以下でフルレンジの電流駆動)では、底付きを経験していません。 我が家で唯一底付きしたのは、aitendoのLM3886アンプ回路にミスがあるのに気づかずに、電圧駆動しようとして電源を入れたときだけです。 同時に入力バッファンプ電源の電解コンデンサも飛びました。
  • 主張11 『しかし、サスペンション系は長時間使用で必ずヘタリます。 つまり更にf0が低下する方向に必ず作用します。 この意味は使い続ける程、サスペンション系を深く傷付け、foが下がり続けると言う悪循環を生みます。 』
  • 反論11 1ヶ月間音出ししなかったスピーカーを連続駆動すると、低音の出方が変わるという経験をしました。 f0が下がり続けるというのは、正しい主張かもしれません。 その結果、電流駆動しても特定の低音が強調される現象は出ません。
  • 主張12 『故に、低音領域を定電流駆動すると、大電力再生では、短時間でサスペンション系が破綻します。』
  • 反論12 Webmasterの自宅では、電流駆動10Wに数十時間の稼働実績があります。 サスペンション系が破綻したとしたら、電流駆動を試みたアンプの回路設計が間違っていたのでは無いでしょうか。 一度webmasterに、試したときの回路を見せてもらいたいものです。
  • 主張13 『又、スピーカーと定電流駆動AMPをペアーで設計しても、大電力領域では信頼性を担保する事は非常に困難だと判断します。』
  • 反論13 Webmasterの自宅では、FE103Enを10Wで電流駆動してなんの問題も出ておりません。 返ってくるエネルギーを受け止められる適切な増幅最終段と、適切なスピーカーユニットがあれば、さらに電力を増やすことも可能です。 でも、電流駆動すると小音量でHiFiになるため、大電力で駆動するメリットを感じません。
  • 主張14 『以上の理由で各製造メーカー共、AMP単独で本格的な電流NFをかける定電流駆動型AMPの商品化には、手を出せない と考えております。(NF:Negative feedback)』
  • 反論14 「各製造メーカー」に含まれるYAMAHAは、ちゃんと電流帰還のアンプを製品化しています。 勉強不足ですね。 (2018年11月19日追記 11月16日に『インターナショナルオーディオショウ』に行ってYAMAHAのエンジニアに電流帰還の話をきいてきました。 YAMAHAが採用している電流帰還は、「最終段の出力電流を一部帰還させる方式であって、山本式電流帰還とは方式が違う」と明言していましたので、ここでお詫びして訂正します。 「YAMAHAの電流帰還の方式説明は公開された場所にはなく、特許にもなっていない」とのことでした。) ちなみに、従来回路を電流帰還にするだけでは、本来の電流駆動にならないという話を こちら に書きました。

2018年11月5日追記 注

言いたいことが伝わりそうもない表現だったので、追記します。 電圧駆動でスピーカーユニットから音が出ていくときは、次の現象が起きます。

  • 運動エネルギーに取られた分だけ、電気エネルギーである電圧、電流が減る
  • 電子回路のNFBで電圧が復帰し、電流もその分増える
  • 増えた分のエネルギーが運動エネルギーとなる

ここでは、原因が結果を生み、前段の結果が次段の原因になるかのように記述しました。 大学理工学部までの教養課程で習う物理学では、このように教えます。 現実には、複数のパラメータが同時に相互に影響しあって、矛盾の無い値に落ち着く現象が発生します。 それを物理学のセンスのない人に教えるのは難しいですし、落ち着く先の矛盾の無い値が一意に決まるかどうかを別に論じる必要があるので、大学の教養課程では教えていません。 早稲田大学の理工学部教授職を務めた某氏でさえ、このところをわかっていないふりをしていましたし。

2019年1月15日追記 YAMAHAの電流正帰還方式

ネットにYAMAHAの電流正帰還方式を説明しているサイトがありました。 こちらにYAMAHA方式の簡単な分析を書きました。

2019年8月20日追記 音工房Zの公式見解

音工房Zの大山美樹音氏とメールのやり取りをしました。 このPDFを書いたRetire爺は森岡幸一氏だそうです。 引用します。

> 貴社が公開している技術文書のうち、
> <http://retireji.z-sound.biz/contents/005.html>
> にかかれていることは、物理学的に間違っているという主張もしております。

こちらにつきましては、ご指摘はありがたくおもいますが
論争は控えさせていただきたく思っておりますので
どうかご了承いただけたら幸いでございます。

トラ技2018年10月号第5章を書いた森田創一氏と同様に、「間違いを認める。何を言われても構わない。」という意思表示をいただきました。

2019年9月21日追記 訂正記事の要求

トラ技の森田創一氏もRetire爺こと森岡幸一氏も沈黙することで自分の間違いを認めているので、訂正記事を書くように要求しました。森田氏はCQ出版社経由、森岡氏は大山美樹音氏経由です。 どちらも1週間以上経つのに返答がありません。

三菱電機の社員って他人の落ち度は徹底的に責め立てるくせに、自分が謝罪する段階になると逃げ出します。 三菱電機なんてそんな会社です。

2019年12月4日追記 森岡氏から今頃返信

森岡幸一氏から2019年12月4日9:29に返信が届きました。 全文引用します。

田中さま

リタイア爺こと森岡と申します。
久しく当方のブログを確認しておらず失礼しました。


田中さまの9/17付けのコメントを拝読させていただきました。
SPの電圧駆動は物理的に間違っている・・とのメッセージを大山様経由で
届いた云々とありますが、このメイルの中身を当方は承知しておりません。
もしそのメイルが今でも存在するなら当方のアドレスに転送していただき
たく宜しくお願いします。


SPの基本設計はあくまで定電圧駆動を前提として設計された電圧Vs音響電力
変換トランスジューサである事は公知の事実であり、小生の文章を訂正する
必要性はまったく無いと考える者ですのでご承知おきください。
尚その設計手法の可否を論じる心算は当方にはありませんので、その点も
合わせてご承知おきください。

以上です

Webmasterの名字をわざと間違えているあたり、感情がこもっていていいですね。

「SPの基本設計はあくまで定電圧駆動を前提として設計された電圧Vs音響電力変換トランスジューサである事は公知の事実であり」と書いてありますが、明文化されたものを見たことがないのでwebmasterはそれを『公知の事実』とは認定しておりません。 さらに、『その設計手法の可否を論じる心算は当方にはありません』と言っているので、「誰かが設計を間違えたとしても、俺のせいじゃないもんね」との意見表明と思われます。 自分で確認したわけではない物理学的に間違った理論を、受け売りなのに得意げにPDFにして配ってしまったことに対して、罪の意識が全く無いようです。 日本のエンジニアはほとんどが他人の受け売りしかしませんが、国家全体の生産性を下げている責任をとってください。

まだまだ出てくる電圧駆動意見 2019年1月5日追記

2019年1月5日現在、まだまだGoogleで検索すると電圧駆動を推すこんな意見が出てきます。

スピーカーは、電圧と電流どちらで駆動するべき?

電圧駆動にこだわる人は、その根拠からいくつかに分類できるようです。

  1. 電圧駆動がオーディオ界の伝統だから無批判で電圧駆動すべきと信じる宗教狂信タイプ
  2. インダクタンスをインピーダンス表記したとき、絶対値が信号周波数に比例して増えるから電流駆動ではドンシャリになるという意見を持ち、インピーダンスが複素数であることの意味がわからない工学不勉強タイプ
  3. 歪率やF特測定は電圧基準で考えるからアンプも電圧駆動すべきという前提と結果が反転した本末転倒タイプ
  4. マルチウェイスピーカーは、電圧駆動前提で設計されているから電流駆動するとドンシャリになるという前提と結果が反転した本末転倒タイプその2
  5. メカニカルな共振周波数のせいで、電流駆動よりも電圧駆動の方が制動が利くと主張する最後の砦にしがみつくタイプ
  6. 電流駆動すると過大電圧でスピーカーが底づきするはずと証拠も出さずに主張する嘘つきタイプ

項目1への反論はオーディオ業界に遠回しに書きました。

項目2、3への反論はスピーカーの電流駆動理論に書きました。

項目4への反論は電流帰還アンプに合わせたスピーカー設計に書きました。

項目5、6への反論はスピーカーに伝わる駆動力に書きました。

孤高の電流駆動純A級アンプ? 2019年1月7日追記

2019年1月7日現在、Googleで『電流駆動』を検索するとこんなリンクも出てきます。

孤高の電流駆動純A級アンプがフルバランス化! Questyle「QP2R」

孤高の電流駆動純A級アンプとか特許技術「カレントモードアンプテクノロジー」なるものがどのようなものか、ネットを探してみました。 株式会社Jというところが製品化しているようなので、特許番号を教えてもらえるようにリクエストを出しておきました。

返答が来ました

特許番号はPCT/CN2014/075775だそうです。 早速読んでみました。 本文が中国語だったので、図と機械翻訳の文面を見比べてみました。

結論から言うと、スピーカーを電流駆動する話ではなさそうです。 Webmasterも100%理解したわけではありません。 しかし、回路図をざっと眺める限り、増幅段のバイポーラトランジスタを駆動する電流を工夫して作っているようです。 その工夫とは、電流帰還のシングルチャネルOPアンプの電源電流を測定して、それに比例した電流で増幅段のTrを駆動するところが特許になっているようです。

本文に「低歪率と超広帯域を実現する」と書いてあり、暗黙の前提として電圧測定で低歪率、広帯域を確認しているのでしょうから、スピーカーの駆動方式は電圧駆動です。

まだまだ電流駆動は誤解されている 2019年1月7日追記

2019年1月7日現在、まだまだGoogleで検索すると電圧駆動を推すこんな意見が出てきます。

スピーカの電流駆動

電圧駆動アンプの出力で、スピーカーとシリーズに680Ωの抵抗を入れたら電流駆動になると勘違いしています。 スピーカーにシリーズに大きな抵抗を入れても、 スピーカーの電流駆動理論 の図3で示した電流式のRの値が大きくなるだけで、Iが入力電圧に比例するわけではありません。

間違った仮定のもとに電流駆動を否定するのは、恥を晒しているのと同値です。

物理学博士の誤解 2019年3月11日追記

こちらのブログは、自称物理学博士が間違った理論を書いています。

学問の小部屋

Webmasterがコメント欄に指摘をしたのですが、ガン無視です。 日本の博士様なんてこんなものです。 博士号を取得するのに必要なのは、実力よりも金ですから。

物理学博士ではない人でした 2019年3月25日追記

Webmasterが一つ勘違いをしていたので、お詫びして訂正します。 リンク先のプロフィールをよく読むと、物理学修士を取得した後、学科名のわからないどこかの後期博士課程に進学して、博士論文を出さずに終了した人のようです。 この人は、博士様ではありません。 ガン無視には変化ありません。

本当に何言ってるかわからないよね 2019年3月28日追記

こんな記述を見つけました。

電流帰還アンプのメリットは?

引用します。 『電流帰還アンプのメリットは? ネットで調べてもなにいってるかわかりませんでした。』

Webmasterも激しく同意します。 電流帰還アンプに限らず、オーディオに関してネットやメーカーエンジニアや大学教授の発言は、物理学に反していて、なにいってるかわからないことが多いです。 トラ技の記事もそうですね。 どうしてこんなにカオス状態なんでしょうか?

タレコミがあったので情報募集 2019年4月30日追記

1970年頃のラジオ技術誌に、河村信一郎氏がマイク測定した電圧駆動アンプと電流駆動アンプの比較記事が載っていたそうです。 記事内容を国会図書館で確認したいので、具体的なラジオ技術誌の号数をご存じの方は、webmasterまでご連絡ください。

2019年5月27日追記 記事はまだ見つかりません

国会図書館にあるラジオ技術誌は1975年以降のものでした。 アイエー出版にお邪魔してバックナンバーを読んでみたのですが、やはり該当記事は見つかりません。

河村信一郎氏の記事をいくつか読んでみました。 高度経済成長時代のエンジニアによくある、マイクロスコープで技術論を語っています。 振動に関しては、バッフル版の影響とか振動板の分割振動とかくどいほど追求しているのですが、振動以外についてはあまり語っていません。 アンプに電圧駆動と電流駆動の区別があることも、知っていたかどうか疑問です。

科学否定論 2019年7月3日追記

Yahooのトップにこんなリンクを見つけました。

「地球平面説」が笑いごとではない理由

「地球が平面である」とか「地球温暖化の証拠はない」とか科学的に間違ったことを『真実』だと思いこんでいる人たちのことです。 オーディオ界で電圧駆動を主張する人たちも同様です。 しかも、音響工学の教授や、SONYなどオーディオメーカーのエンジニアにも大勢います。

ラジオ技術誌 2019年12月4日追記

『ラジオ技術』誌の読者から連絡をいただきました。 ラジオ技術誌では、以前から『電流駆動アンプ』を支持しているそうです。 カレントミラー回路を応用した電流駆動アンプの回路図も見せていただきました。

Webmasterには盲点でしたので、そのうちバックナンバーを読んで勉強します。

Wikipediaのラジオ技術誌解説には、 『本来であれば、どういう特性を管理すれば聴感が満足できるかという技術的追求をすべきところを、感覚的・狂信的オーヲタの激しい反応と、それに直結する怪しげな製品市場を優先させて、ご託宣が罷り通る一種信仰の世界化したことで、技術志向の本来の同誌の読者を追い出してしまって結局現在は真空管アンプ信仰のオーヲタだけが残り、優れた真空管アンプ書籍の遺産で存在している。』 と書いてあります。

Wikipediaの記述は全くの印象操作で、物理学的に正しい電流駆動アナログアンプを取り扱う日本で唯一の雑誌とみなした方が良いようです。 もしかしたらWikipediaの言う『技術志向』とは、『電圧駆動』を提唱する疑似科学派のことなのかもしれません。

掲載日

2018年7月15日 初出

2019年12月4日 追記


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