トラ技2018年10月号に見る電圧帰還アンプへのこだわり

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説明

トラ技2018年10月号第5章「終わりよければすべて良し!スピーカ超入門」には、誤解と時代遅れの評価が並んでいるので指摘します。

記事中の問題点

  • 参考文献がまったくない
  • 記事の記述やグラフは、実測値なのか理論値なのか明記されていない
  • 実測値ならば測定条件が書いてない、理論値ならば結論を導いた手順が書いてない
  • 物理学で電磁気学の出発点となるMaxwellの方程式を無視している
  • インピーダンスを複素数ではなく実数で表記している
  • インピーダンスを抵抗値と誤解している
  • スピーカーから出ていく音のエネルギーが、スピーカーに送り込まれたエネルギーに比例しているとの暗黙の前提がある
  • 定電流駆動を「無理やり」と表記しているが根拠を書いていないので、安倍首相の嫌いな印象操作である
  • 定電流駆動では「ドンシャリ」になると書いているが、根拠がないしwebmasterの体験とも矛盾する
  • 定電流駆動では「破損の危険性あり」と書いているが、「振幅をさらに増やす定電流駆動」の記述に根拠がないしwebmasterの体験とも矛盾する
  • 「無理のない範囲の特性補正は実用化されている」と書いているが、実機名称も回路図も書いてないので検証のしようがない
  • 図4にて「フルオーケストラの周波数分布は数百Hzをピークに高域も低域も減衰する」と主張しているが、オーケーストラの生音の話なのか、電圧駆動アンプを通した出音の話なのか不明
  • 電圧駆動でしかf0共振の影響を防げないのであれば、D級アンプにも電流駆動と同様の「ドンシャリ」傾向が出るはず
  • Webmasterの聴感ではここ10年ほどのマルチウェイスピーカーは、D級アンプ向けにチューンされていて、電圧駆動アンプでは実力を発揮できない

細かい表記に逐一反論するのは面倒なのでしませんが、そのうち追記するかもしれません。

2018年10月26日追記

もう一つありました。

  • エネルギーがスピーカーからアンプに返ってくることを全く考慮していない

2018年10月26日追記 トラ技の劣化

Webmasterがトラ技に記事を書き出したのは、2012年2月号からだったと記憶しています。 このときトラ技編集長にくどいほど念を押されたことがあります。

  • 技術的に誤ったことを書かない
  • 検証不可能なことを書かない
  • 主観的なことを書かない
  • 読者が再現可能なように必要な情報を漏らさず書く

などです。

2018年10月号の第5章は、こういった縛りを全く無視しています。 エンジニア向けの雑誌にあるまじき記述で、例えて言うならば杉田水脈氏の論文を載せた新潮45誌に相当します。 杉田氏の間違いは分かりやすかったので炎上しましたが、第5章の間違いは誰も指摘していないだけの話です。

日本のオーディオ界にはwebmasterより有能なエンジニアが1000人ほどいらっしゃるそうですから、みなさんわかっていてわざと黙っているのでしょう。 おそらく、自社製品を電圧駆動から電流駆動に切り替える間の時間稼ぎをしているのだと予想します。

2018年12月20日追記 第5章筆者の情報

トラ技編集部へ行って、2018年10月号第5章の筆者の素性を確認してきました。 勤務先会社名は伏せますが、一旦オーディオ事業を廃止した後ここ数年だけ以前のブランド名を復活させている某電機メーカーのエンジニアでした。 彼がオーディオの開発に携わっていたのは、1980年ころまでだそうです。 通りで、古い価値観の記述が具体的根拠も示さず並んでいたわけです。 みなさんは、恐竜のようなエンジニアに騙されないだけの実力をつけてください。

掲載日

2018年10月25日 初出

2018年12月20日 追記


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