山本式電流帰還アンプ簡単回路のナゾ

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説明

山本式電流帰還アンプを左右独立させて正負電源のアンプで作ると、とってもシンプルな回路になります。 ここに例を載せます。

まずは、LM3886を使用したスピーカー駆動用±電源アンプ

図1 LM3886のTypical Circuit

図1は、ワンチップアナログパワーアンプのLM3886データシートから引用した、1チャンネル分の回路例です。

図2 LM3886を使用した電流帰還アンプ

電流帰還アンプの回路を図2に示しますが、なんと部品点数が減ってしまいました。

出力のR Lがスピーカーだかダミー負荷の抵抗だか区別がつかないので、2018年11月12日に作図し直しました。

赤い部分が変更点です。 Riはセメント抵抗3W0.5Ωあたりがよいでしょう。

実際に組んでみて試験中です。 2018年3月9日現在、エージングの途中です。 BTLアンプを使用した先行試作品よりも低音が控えめですが、中高域は申し分ありません。 BTLアンプを電流帰還で駆動すると、ミニコンポの2wayスピーカーから十分な重低音が出てきます。 今回の回路では、ステレオ2wayスピーカーの他に0.1chのサブウーハーが欲しくなります。 この回路から出てくる音は電源リップルの影響をモロに受けているので、試験を続けながら電源回路を変更する予定です。

2018年3月11日追記

低音不足の原因がわかりました。 特にボリュームを小音量に設定すると、低音が不足します。 調べてみたら、LM3886の入力はバイポーラでバイアス電流が無視できないようです。 LM3886の+入力、ー入力の直前にOPアンプでボルテージフォロワ回路を入れると良さそうです。 OPアンプを追加すると、R Bが省略できるので部品点数は変わりません。 お試しあれ。

2018年3月14日追記

電源回路を改良しました。 今まで、スイッチング電源のACアダプタ2個1組から直接12Vを供給していて、「ウィウィウィ」というノイズがスピーカーから出ていました。 三端子レギュレーターを間に挟んで安定化10Vを供給したところ、ノイズは消えました。

2018年6月23日追記

2台目のLM3886アンプを作ってみました。 今回はaitendoの基板を利用しました。 パワーアンプキット [K-3886F] です。 改造点は、以下です。

  • 電圧帰還回路の代わりに、電流測定用のセメント抵抗0.39Ωを入れ、NJM4558でボルテージフォロワ回路を作ってLM3886のフィードバック端子に入れました。
  • スピーカー駆動回路のGNDと入力信号のOPアンプ周りGNDがつながっていなかったので、リード線でつなぎました。 最初気づかずに電源を入れてしまい、OPアンプの電源回路にある電解コンデンサが過電圧で破裂しました。 いわゆるチャイナクォリティーですね。
  • 基板の電源入力は、トランスからの2系統18VACを期待しているようです。 最近トランスの価格が高騰しているので、TDKのDC24V供給スイッチング電源×2を使用しました。

出音には満足です。 先に作ったLM3886アンプよりも、低音が豊かです。 Stereo誌2013年8月号付録のスピーカーユニットと別冊のボックスキットで地デジの報道番組を聴いていると、アナウンサーの肉声がリアルです。 先のアンプと回路上違うところは、入力のボルテージフォロワと電源電圧くらいです。

電源電圧変動に弱いのは、相変わらずです。 同じ部屋の100VACコンセントでも、違う場所のコンセントにさすと背景ノイズが変わります。 こういう場合に、電源ノイズフィルターが役立つわけですね。 ジャンクボックスには、30年前に買ったノイズフィルター部品が入っていたような気がします。

2018年6月24日追記

2台目のLM3886アンプのインプレッションです。 本日地デジのNHK総合で20時から放映されていた『西郷どん』を観ていました。 音声レベルは、出演者の肉声が部屋の中の本物の会話より若干小さく聴こえるくらいです。 なんと、冒頭で大久保が書を書いているシーンの、ろうそくの燃える音がハッキリ聴こえました。 ろうそくの音をドラマのSEとして入れるこだわりも相当なものだと思いますが、今までのアンプでは再生不可能なレベルだと思っています。

OPアンプで作ったヘッドフォンアンプ

図3 4線式ヘッドフォンアンプの回路

図3は、OPアンプで作った4線式ヘッドフォンアンプの片チャネル回路図です。

既にwebmasterの手元で稼働中です。 手持ちのヘッドフォンで、直流抵抗数十Ω、能率がそこそこの機種を駆動しています。

抵抗値は、R1 = 100Ω、R2 = R3 = 1kΩ で組みました。 ヘッドフォンの+端子電圧は(ボリューム出力 × 2 - R1電圧)になります。 R1電圧がボリューム出力電圧から外れる場合は、電流フィードバックとして働きます。

電源は、USB出力からDC/DCコンバーター MAU106 を経由して±5Vを作って、コンデンサで平滑化しただけです。

完璧な電流駆動と不完全な電流帰還 2018年7月19日追記

電流帰還の話を注意深く呼んでいる人は、以下の2点に気づいたと思います。

  • WEBサイト上で『山本式電流帰還』と『電流駆動アンプ』の2種類の表記があること
  • このページの前にあるヘッドフォンアンプの回路図だと、OPアンプの出力電圧が (ボリューム出力電圧×2 - フィードバック電圧)になっていること

この2つは、意図的に行っています。 スピーカーの電流駆動理論にも書きましたが、電流駆動でも電圧駆動でも、出力電圧と電流の符号が逆転してエネルギーがスピーカーから返ってくるタイミングがあります。 この状況を正確に電流駆動しようとすると、『入力電圧に比例した電流を流せて、電圧がプラスマイナス自由に変化する最終段』を実装しなければなりません。 Webmasterは、そのような回路を具体的に知りません。

そのため、前出のヘッドフォンアンプでは、山本式電流帰還で電流を制御しながら入力に比例した電圧も混ぜ合わせるハイブリッド出力信号方式を取っています。 これでも、従来の電圧駆動アンプよりは良い音が聴けます。 ハイブリッドではない電流駆動アンプの実装は、もう少し待ってください。

LM3886アンプ続報 2018年8月31日追記

2台目のLM3886アンプのインプレッション続きです。 NHKの朝ドラ『半分、青い。』のオープニング曲で、 ロングバケーションロングバージョン がかかると、曲の最後に右スピーカーからギターの音が「てろっ、てろっ、てろーん」と聴こえてきます。 このギターは、曲の途中では左チャネルから聴こえているのですが、いつ右に移動するんでしょうね。

掲載日

2018年3月9日 初出

2019年1月31日 表記修正


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