みなさんは、personz 14枚目のアルバム HOME COMING を聴きましたか? ギターにオリジナルメンバーの本田毅を久しぶりに迎えての録音です。 私なんかアルバムを手にする前から、期待しっぱなしでした。
アルバムを最初に聴いた感想は、 APOLLO のサウンドと同じ方向性なのだなということでした。 うまく表現できないんですけど、ロックバンドなのに非常にまろやかで艶っぽい 完成度の高いサウンドとでも言いましょうか。 大滝詠一や山下達郎がポップスの世界でやったことを、 ロックバンドでやろうとしているそんな感じを受けました。
本田毅を迎えても APOLLO と同じサウンドということは、 多分プロデューサーとしての 渡邊貢の意見が充分に反映されているのではないでしょうか。 プロデューサーが「こんな音作りをしたい」という明確な方向性を打ち出して、 全メンバーがそれに答えた結果が HOME COMING なんだと思います。
確かに、本田毅の特徴的なギターソロなんかも聴けたのですが、 それほど APOLLO と変わらない感じです。 考えてみれば、いくら本田毅が天才的だと言っても、 APOLLO のギタリスト田中エイジだってプロです。 ギターの演奏でリスナーに物足りなさを感じさせるようなことは しないでしょう。
ただ、初期の personz の曲を聴いてきた者としては、 「オリジナルメンバーのサウンドはこの程度ではないはずだ」 という期待感もあります。 今回は初めてのゲスト参加ということもあり、 本田毅の遠慮とかサウンドの様子見があったのではないかと 勝手に想像してしまいます。
とりあえずは、11月22日のライブに期待です。 今になって1月25日のライブをふりかえって思うと、 ライブではアルバムとは違ったストレートな音作りをしていました。 意図的に音作りを変えているのか、 技術的な制限でできないのかはわかりませんが、 私は personz のライブで聴けるサウンドの、 エネルギッシュで力強いのに大人の落ち着きさえも感じさせるところが好きです。 11月22日もその方向で演奏してもらえるならば、 1990年の武道館と同じような力強さを感じるライブが 体験できるのではないかと期待しています。
それから、今後のサウンドにも期待です。 personz オリジナルメンバーのサウンドって、 プロデューサー1人の世界観に収まるようなものではなく、 メンバー1人1人が自分の方向を極限まで追求しながら、 全体がバラバラになることもなく一つの世界観を作りだします。 本田毅の参加によって、 そのような拡がりをもった力強いサウンドが復活するのではないかというのが、 私の期待です。 そのためには、本田毅が作曲に参加したり、 プロデューサーが手綱を緩めたり、 いろいろな挑戦が必要になると思います。 もしかしたらここに書いたことは、 personz のメンバーにとっては当たり前のことかもしれません。 それどころか、すでに実現に向けて動き出しているのかも。
さらに妄想を進めるなら、 GITANE メンバーとのコラボレーションなんていうのも面白いかもしれません。 本田兄弟のツインリードギター(本田弟は6弦を弾けるのかな?)や、 JILL と純とのツインヴォーカルなんてワクワクしませんか。 personz メンバーが GITANE のサウンドに加わるのは無理があると思いますが、 逆のパターンなら充分できると思うのです。 あるいは、GITANE と personz のメンバーが交互に call & response 形式で 演奏しながら、ギターの本田毅が両方をつなぐなんてどうでしょう。 どちらのレコード会社からCDを出すか迷うところですが、 二つのバージョンを作って両方から出せばよいような気がします。
とりあえず、今日はここまでにしておきます。 クラブクアトロのライブを聴いてきたら、 また続きを書くつもりです。
ここまで 2002年11月16日 記
おそくなりましたが、11月22日のライブの感想を追加します。 ものすごいライブでした。 私の予想をはるかに上回る大迫力のライブでした。 本田毅の生演奏は初めて見たのですが、 こんなに迫力のあるものだとは思いませんでした。 ギターだけではありません。 全メンバーが、1月のライブとは桁違いのエネルギーを発していました。 1月のライブが演奏の完成度やまとまりを求めたのに対して、 今回完成度は二の次でエネルギーを追求したようなライブでした。 1月の2倍以上の人数が集まった観客も激しいエネルギーを発していて、 ステージの上と下の相乗効果で大きな盛り上がりを見せていました。 本田毅が脱退する前のステージも、こんな迫力だったのでしょうか。
そして印象的だったのが、 公式サイトのファンの書き込みにもあるとおり、 メンバー全員がとても嬉しそうに演奏していたことです。 そう、「この素晴しいサウンドを創り出すことに参加できて嬉しい」 とでも言っているような笑顔でした。
私は、本田毅脱退前の演奏を レーザーディスクでしか見たことがありません。 不十分なことは承知で今回のライブと比較すると、 サウンドの方向性は一緒で、その上に全員がメリハリのある演奏をしていました。 抑えるところは抑え、飛ばすところは飛ばす、 それがサウンドにさらに迫力を与えていたような気がします。 以前の演奏が、自分の精一杯を一生懸命に追求していたのに対し、 長年のキャリアが余裕を与え、各自の見せ場を作りだしているようでした。 こんな素晴しい演奏が聞けて満足です。 次のツアーやアルバムにも期待がかかります。 そして、彼らはその期待を裏切ることは決してしないでしょう。
私事ですが、LOFT のチケットを先行予約したと思ったら、 入院で行けなくなってしまいました。 楽しみにしていたのに残念です。 みなさんは、私の分も楽しんで来てください。
ここは 2002年12月8日 記