特許関係でやらかした会社の話です。
特許戦略で失敗した企業の例を思い出しました。 今から10年以上前のことだと思います。 日本野鳥の会のメンバーが、肉眼で観察する望遠鏡(天体望遠鏡と違って地上を観察するため、像が上下左右反転を起こさないもの)の接眼部直後にビデオカメラを置いて野鳥のアップをビデオに記録する方法を思いつきました。 野鳥の会の会報(支部報か全国紙の方かは忘れました)に掲載され、NHKの報道(記憶では午後6時台の首都圏ニュース)でも取り上げられました。
数カ月後、野鳥の会の会報(全国紙版)に掲載されたSONYの広告を見てびっくりしました。 SONYが以下の主張をしていたからです。
どちらも、webmasterの知る特許のルールに違反しています。 野鳥の会の会報に載ったり、NHKで報道された方式は『公知の事実』と呼ばれ、特許をとることができない扱いとなります。 仮に会報の記事より先にSONYが特許をとっていたとしたら(広告の文章からはそういう解釈はできなかったけど)、特許自体は成立しますが特許で取り締まれるのは他人の商売までです。 個人的に特許を真似しても、商売しなければ特許侵害になりません。
このルールをwebmasterに教えてくれたのは、他ならぬSONYの社員です。 きっと、判っていてわざとやっていたのでしょう。
そうですよね?SONYの特許部に行った千里先輩!
特許戦略で失敗した別企業の例を思い出しました。 Webmasterの記憶では、1994年に日本の特許対象分野が拡大されて、それまでハードウェアの仕組みだけを受け付けていた方針から、ソフトウェアの設計や、ビジネス特許も受け付けるようになりました。 当時在籍していた会社でソフトウェア特許のノルマが、早速webmasterに与えられました。 誰が決めたルールなのか、請求項が9項目以上ないと特許として認められないため、関連する発明をかき集めて1件つくりました。 なぜか社外の特許事務所を使わずに、エンジニア自身が申請の文言と図面の両方を書かされました。 何度も社内特許部のダメ出しをもらいながら、半年かけて翌1995年に特許を書き上げました。 特願平07-182749です。 請求項のうちひとつは先行出願があってドロップしたため8項目に減りましたが、最初に9項目あったので問題ないそうです。 出願の後、会社の規則で数千円の奨励金を受け取った記憶があります。
1999年のことです。 情報処理学会誌に載っていた記事に、特許の実施例6の侵害例がありました。 DNSのroot name serverのうち日本でメンテしている name server M の故障時にサーバーをバックアップ機に切り替えるメカニズムが、webmasterの特許の請求項の一つと同じです。 早速、出願時の所属場所の特許部に連絡を取りました。 大船地区→鎌倉地区→神戸地区とたらい回しにされ、ようやく該当特許を扱う特許部にたどり着きました。 でも、特許部は全くやる気がありません。 エンジニア一人が半年かけたので、この会社の計算では7000円✕8時間✕120日で672万円出費しているはずなのに、取り返そうという気力がないのです。 なんのための特許ノルマだったのでしょうか。
ネットサーフィンしていて、不思議な情報を見つけました。
ケーブル構造に関する特許らしい記述Webを読んでも技術論が理解不可能だったので、特許本文に当たろうと思ってPAT3753431を特許庁のWebで検索したのですが、出てきません。
Webをもう一度読んでみると、「2005年特許として査定された、」とありますが、「特許として成立した」とは一言も書いてありません。
ダメ元で出願して拒絶されたのに、「出願」したことだけを書いているのかもしれません。
一旦成立して特許料を払えなくなった場合は、多分特許庁のデータベースに残りますよね。
Webmasterが2017年に出願した2件は、全請求項が特許として成立しています。
PAT3753431を開放特許情報データベースで見つけました。 読み込んでみましたけど、ツイステッドペアに電流を流して全体をシールドしたほうが安くて簡単そうな気がします。 Webmasterには有り難みが理解できない特許でした。
ネットサーフィンしていて、不思議な情報を見つけました。
CR-N775ここに書かれている"3-state Bitstream Amplifire"(特許技術)は、米国特許US5617058A "Digital signal processing for linearization of small input signals to a tri-state power switch" そのものに見えます。 Onkyo社には2020年5月12日にお問い合わせフォームから質問したのですが、ガン無視です。 特許のデータベースで検索しても、Onkyo社の特許が見つかりません。
2021年4月2日 記事を分割
2023年2月18日 追記