中田式D/A変換再生コマンド

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説明

『第13回1ビット研究会』で『中田式D/A変換』を発表して以来、「自分のところでも試してみたい」というリクエストをぼちぼちいただいています。 環境が整いましたので、インターネットの通販サイトDIYINHKが販売しているDACキットを使って『中田式D/A変換』を試せるツールを公開します。

再生アプリのパッケージ配布場所

環境

このプログラムを実行するために、以下を揃えてください。

マシンスペックとしては、Webmasterの手元ではもっとスペックの低いマシンでも動作しています。 たとえば、Core 2 Duo 2.1GHzのMac BookにUbuntu 16.04 64bitをインストールして、CDDAをリアルタイムにオーバーサンプリングできていますが、X windowの描画が止まります。 昔のCPUを無理矢理酷使すると、冷却ファンが最大速度で回転を始めるため、HiFi再生から程遠くなります。 SSE命令の最適化作業はそろそろ限界(なにしろ8191タップのFIRをステレオ352.8kHzで動かして2GFLOPSくらい必要です。「計算量の辻褄が合わない」って思いますか?そこはスピード狂のWebmasterだから最適化にこだわっています)なので、余裕のあるCPUを使うかGPUに任せるかの選択になります。

DACにマルチビット方式ではなく、ΔΣ変調を利用したもの(BurrBrownの多くやESS、旭化成など)を用いると、『中田式D/A変換』の効果は激減します。 ご注意ください。

ALSAの現状

DIYINHKのDACを入手してからいろいろな問題に直面しました。

使い方

GUIのXaplayから使用することを想定しています。

fdpcmplayコマンドが、PCMを再生するコマンドです。 fddsplayコマンドは、ΔΣを再生するコマンドです。 今までのalsaplay、udaplayの代わりに使用します。 マルチビットDACはΔΣを直接再生できないので、PCM(相手がDIYINHKのXMOSだと176.2kHzfs16bit)に変換して送ります。

Xaplayは、再生コマンドを選択するためのコンボボックスを持っています。 このコンボボックスで再生アプリケーションを選択するか、"auto detect"を選択してください。 "auto detect"を選択した状態で、再生デバイス名に"DIYINHK USB Audio 2.0"の文字を発見すると、Xaplayはfdpcmplay fddsplayを使用します。

DIYINHKのXMOSに、従来のビットパーフェクトデータを送りたい場合は、コンボボックスでalsaplayを選択してください。

fdpcmplay、fddsplayをコマンドラインから起動する場合、オプションに"--mode=FILE"を指定することでオーバーサンプリング結果をデバイスではなく352.8kHzfsのWAVデータファイルに出力することができます。 352.8kHzfs再生可能なマルチビットDACを持っている人は、このファイルをalsaplayで再生してリアルタイムではないオーバーサンプリングを試すことができます。 fdpcmplayでこのファイルを再生すると、もう一度LPFが動作してしまうので遅いCPUで時間差オーバーサンプリングするわけには行きません。

使用上のご注意

現状の『中田式D/A変換』は、方式の効果を実証している最中です。 今回公開するコマンドも完成形ではなく、実験室の未完成アプリケーションだと思ってください。

感想

AD1856すげー

『中田式D/A変換』を試す前に、ビットパーフェクト再生でAD1856の特性に感心しました。 Burr Brownの1bit系列には出せないようなパンチのある低音となめらかな高音が出ています。 第4試作のフルディジタルアンプと比較すると、低域の輪郭がちょっとぼやけていますが、高域の滑らかさで補ってあまりあります。 聞き慣れたCDDA音源から今まで聴いたことのない音が出てくるので、自分の耳が変になってしまったようにも感じています。

中田式D/A変換の効果はちょびっと

AD1856に、ソフトウェアオーバーサンプリングのデータを送ると、高域のなめらかさが若干増したように感じます。 小さな差異で、DACにつなぐアナログアンプの性能が良くないと、聴き分けられません。

XMOSの消費電力が大きい

電源用の3端子レギュレーターに小さな放熱器しか付けなかったせいで、60℃位に発熱しています。 XMOSを外して別の基板からI2Sを送ると、発熱は極端に減ります。

2016年8月31日 初出


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