トップ → コンピュータの国 → 雑記帳 → 趣味趣味音響 → DAR-001TGサポートページ → キットを買った人だけファームウェアが入手できる理由
トラ技の一般記事では、読者が同じものを製作できるようにファームウェアを公開するのが前提です。 ところがDAR-001TGでは、キットを買った人だけにファームウェアを提供しています。 その理由を説明します。
ファームウェアソースコードの自由な配布ができない理由は、 ファームウェアが内部で使用しているNXP製ライブラリのライセンスによります。
DAR-001TGでは、NXP社製のMCUを使用しています。 このMCUのペリフェラルを動かすために、NXP製のライブラリに手を入れて使用しています。 ライブラリ部分を公開できないかNXP社に問い合わせたのですが、許可をもらえませんでした。
そのためファームウェアソースコードは、一般公開せずキットで使用するMCU基板の付属物として扱っています。
ハードウェアは、購入するとその人の所有物になります。 改造しようが、分解しようが、買った人の好き勝手にできます。 好き勝手にしても、メーカーが同じハードウェアを別の人に売ることに問題は発生しません。
ファームウェアソースコードの取扱いは違います。 ソフトウェアの一種ですから好き勝手にコピーされると、 別の人に同じものを売れなくなったり、技術的なノウハウが流出したりします。
そこで、メーカーはライセンスでソースコードの使用方法を細かく制限するのです。
キットには、録音/再生アプリケーションが付属します。 このアプリケーションにもライセンスが関係します。
各OSでオーディオ再生する技術を入手する時や、 DSFファイルフォーマットの情報を入手するときなどに、 ソフトウェア開発者はメーカーと守秘義務契約を結びます。 この守秘義務契約があるため、入手した情報を開示することができないのです。
守秘義務契約を守るため、録音/再生アプリケーションのソースコードは、非公開としています。
2014年12月3日 初出