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DAR-001TGを制御しているマイコンは、LPC4330-Xplorerです。 このマイコンを使用するためのノウハウを、書いてみます。
LPC4330-Xplorer基板を製造しているのは、インドのNGXという会社です。
基板に乗っているMCUのLPC4330は、半導体メーカーNPCが販売しているLSIです。 ARMのCortexM4アーキテクチャーを採用していて、コプロセッサーのCortexM0や浮動小数点対応、NPC独自のSGPIOペリフェラルなどが載っています。
DAR-001TGにLPC4330-Xplorerを採用したのは、以下の機能、性能が必要だったからです。
LPC4330-Xplorerに限らず、最近のマイコン基板はI/O端子が表面実装になっています。
従来のコネクタは信号ピンが基板のスルーホールにささっていたので、信号ピンをハンダ付けするだけで固定されていました。 表面実装コネクタだとハンダ付けが表面で終わっているので、剥がれやすくなっています。
表面実装コネクタをよく見ると、基板にコネクタを固定するための足が出ています。 この足がスルーホールを通っているので、ハンダか接着剤で固定するだけで強度が上がります。
固定前後の比較写真を載せます。
LPC4330-Xplorerを使用して体験した故障を書いてみます。
LPC4330-XplorerのフラッシュROMにプログラミングするときは、データが以下のパスを通ります。
フラッシュROMへのプログラミングに失敗する条件がいくつかあります。
DAR-001TGを開発していた頃は、開発環境であるuVisionはバージョン3でした。 2017年1月現在、最新バージョンは5です。 我が家ではuVisionをバージョン5にしてから、トラブルが増えました。
ARMデバッガーとしてメインに使用しているのは、以前のXplorerに添付されていたME/LINK2です。 このME/LINK2は、Windowsが認識すると専用のデバイスドライバが組み込まれて、パソコンから効果音が聴こえます。 なぜか、ME/LINK2をパソコンに接続し続けていても、Windowsがデタッチ/アタッチを繰り返して、効果音が聞こえてきます。 原因不明です。 ME/LINK2の代わりにトラ技の付録基板を使用しても、同様です。
しかも、フラッシュROMに書き込めない現象が時々発生します。 再現条件も原因も不明です。
LPC4330-Xplorerは、採用理由に書いたように使いでのあるマイコン基板ですが、いくつかの欠点もあります。
実は、ARMデバッガーとして売られているLPC-Link2が、これらの欠点を克服していてマイコン基板として有望なのです。 商品分類はME/LINK2とおなじARMデバッガーですが、アーキテクチャはUSBマイコンそのものです。 ただ唯一の欠点が、信号の出ている端子がハーフピッチコネクタだったため、ユニバーサル基板に接続するのが難しいことです。
Webmasterはネットショップを探しているとき、つい最近ですが秋月電子通商でハーフピッチコネクタと基板のセットを見つけました。 通販コードP-01151です。 写真も載せます。 これを使えば、LPC-Link2をUSBマイコンとして使用できそうです。
LPC-Link2はのっているMCUが違う型番で、ふたつ目のM0コアも載っています。 LPC4330では全てのペリフェラルがM4とM0両方のコアからアクセスできましたが、こちらは2つのM0が役割分担しています。
LPC4330-Xplorerのファームウェアを移植するには、新たにノウハウを身につける必要があります。 それでも時間ができたらぜひ勉強して、XplorerからLPC-Link2に乗り換えたいと考えています。
2017年1月9日 初出