Q and A

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説明

『エレキ工房No.5』の読者からいただいた質問とその答です。

Q and A

    • Q. ΔΣの変調率について説明がありませんが、何を100%とするのでしょうか?
    • A. 『ΔΣに変調率が定義できる』と『ΔΣの変調率において100%をこれこれと定義する』という話は、別個ですね。 前者は自明ですが、後者についての記述は見たことがありません。 私の不勉強か、そもそもΔΣに変調率を定義した人がいないか、どちらかでしょう。
    • Q. PCMをΔΣ変調するときに行う演算は、数値計算上はIIRフィルタの適用という形で実装できるのでしょうか?
    • A. 確かにブロック図を書くと、過去のデータが入力にフィードバック加算されるところが似ていますね。 直感的には別物だと考えていますが、なにかの裏ワザでIIRをPCM→ΔΣ変換に使える方法があるかもしれません。 逆に、使えないことが証明できるかもしれません。 あまり深く考えていません。
    • Q. アナログ→ΔΣ変調の回路は、通常の部品しかないLTSpiceでシミュレーションできるのでしょうか?
    • A. Spiceシリーズは使ったことがないので、あまりコメントできません。 コンパレーター出力とそのフィードバック部分がクロックに同期して変化するところをうまく表現できないと予想します。
    • 2019年8月14日追記
      こちらのリンク先にLTSpiceを使ったシミュレーション例が掲載されております。 ただし、ΔΣ出力をOPアンプLPFで平滑化しているので、ΔΣ変調とこのLPF特性込みの特性になります。
    • Q. アナログ→ΔΣのブロック図を、ディスクリートの部品、ロジックIC、オペアンプに置き換えるとどのような回路図になるのでしょう?
    • A. 加算器 → OPアンプのよくある回路
      積分器 → OPアンプ+コンデンサ
      D/A変換 → コンパレーター(クロックに同期してラッチするので、FlipFlopも必要)
      となります。 精度や積分器のオーバーフロー問題とか悩ましいので、参考文献『ΔΣ型アナログ/デジタル変換器入門』にあるように、スイッチドキャパシタで作るほうが楽ではないでしょうか?
    • Q. エレキ工房No.5 P.31の図1のPCMの図と、ネットで見かけたPCMの解説の図(注 2016年11月30日現在該当するWikiが削除されているので参照できません)がちがいます。 エレキ工房の図は0を中心に正と負が対称ですが、ネットの図は正と負が対称ではありません。
    • A. Wikiの図は、2つのことを同時に説明しています。
      1. PCM変調によって、時間と振幅が離散化している話
      2. 離散化した1サンプルを具体的な符号として表現する話
      正負の整数を符号化するのは、
      • 1の補数
      • 2の補数
      • その他マイナー方式
      といろいろあります。Wikiは2の補数のMSBを反転したものを暗黙の前提としています。 私の説明は、あえて符号化の話をしていません。 どの方式でも4bitで表現できるように最大振幅を ±7にしました。
    • Q. A5.に関して一般のPCM符号化では、どの正負表現が良く用いられているのでしょう?
    • A. WAVファイルもUSBでの伝送もI2Sもみな2の補数を前提にしています。
      理屈の上では、2の補数以外の表現を採用した
      • WAVフォーマットの拡張
      • I2S伝送の拡張
      などが想定できますが、新しい機能が増えるわけではなくハードウェアが複雑になるだけなので、現実問題としてありえないでしょう。
      正負でない表現として、全部正の数で示す形式があるようです。 ALSAのデータ形式には符号付き整数の他に符号なし整数が用意されています。 仕様書も現物も見たことがないので想像になりますが、おそらく中央値をGNDレベル出力と扱うのではないでしょうか。
      2の補数を使って整数表現すると、正負で最大振幅が値1だけ異なってしまいます。 16bit表現だと−32768〜+32767です。
      -1.0~+1.0の値をとる浮動小数点型の音声フォーマットを定数倍して整数値に変換するときに、正の最大振幅をかけるべきか、負の最大振幅をかけるべきか迷います。 おそらく負の最大振幅をかけておいて、元データが正の最大振幅(+1.0)だったときだけリミッターをいれるのがよいのでしょうね。
    • Q. CQ出版から発売されていたキットは、LSIをオーバースペックで使用して11.2MHzのA/D、D/A変換していると説明されています。 オーバースペックでどのくらいの特性が出ているのでしょうか?
    • A. Webmasterはオーディオ用の測定機器を持ち合わせていないので、厳密な測定はしていません。 機能的に11.2MHzの伝送が可能であることを確認して終わりました。 キットは、技術を試す目的の試作品という位置づけなので、11.2MHzは速度性能確認までを保証し、オーディオ的な特性の追い込みはキットを買った人にお任せします。

掲載日

初出 2016年12月4日

追記 2019年8月14日


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