謝辞

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説明

Webmasterがスピーカーの電流駆動を考えるにあたって、大いにお世話になった先生を思い出します。 1979年頃私立武蔵高校で物理学を教えていた小林奎二先生です。 ご本人がご健在かどうかもわからないのですが、この場所で謝辞を述べます。

スピーカーの電流駆動理論と物理学

音響工学におけるスピーカーの電圧駆動理論は明らかに物理学の諸法則を無視しています。 Webmaster以前にも電流駆動を主張した人は多くいましたが、その度に音響工学者が屁理屈を述べてごまかしてきました。 そこでwebmasterとしては、屁理屈のこねようがないほど徹底的に音響工学を論破する必要を感じ、この場所で公開しています。

工学は数学、物理学、化学などの応用です。 必要に応じて、基礎の数学、物理学、化学に立ち戻らなければなりません。 ところが、工学専門家の一部は基礎理論を理解していないのです。 そのため、応用分野の工学で習ったことだけを根拠に理論を組み立てるので、工学が間違っていたら自分自身の間違いを指摘できません。

Webmasterの本業は工学ですが、高校時代に基礎をみっちり叩き込んでくださった小林先生のおかげで、音響工学の間違いを指摘することができました。

小林先生の思い出

私立武蔵高校は自他ともに認める受験校です。 どの科目でも、高校の基本カリキュラムのさらに先をいく内容を教わりました。 ただし、入試突破目的の授業ではなくて「自ら調べ、自ら考える人物」を育てるための授業でした。

当時のカリキュラムでは、数学で微積分を習う前に物理学でニュートン力学を習います。

ニュートン力学が扱う物理量は微分可能であることが自明なので、εδ論法を習う必要はありません。 小林先生は、ニュートンが扱ったレベルでの limΔt→0 を説明してニュートン力学を説明しました。

手抜きで物理学を教えるなら、ニュートン力学を知識として丸暗記させて、数学で微積分を習ってからもう一度ニュートン力学を復習させる方法だってとれます。 そこで手抜きをしないで微積分の初歩を教えてくださったのが小林先生でした。

ニュートンの微積分をもとにニュートン力学をならったということは、意図的かどうかはわかりませんが、自然科学の理論体系の発展を高校生が追体験したことになります。 ニュートン力学の続きが電磁気学だったので、微積分を用いてわかりやすく学ぶことができました。

ちいさな取っ掛かりから、次々と理論が展開してゆくのを授業で体験できたので、webmasterには自然科学の蓄積を『知識』としてではなく『体系』として身につけることができました。 この点で、webmasterは小林先生に大いに感謝しています。

スピーカーの電流駆動理論への応用

スピーカーの電流駆動理論も、数式を並べてみれば小林先生から習った範囲でほとんど説明できています。 大学で習った部分は、Maxwellの電磁気学方程式と微分方程式の解法くらいしかありません。

小林奎二先生、高校時代のwebmasterに物理学の初歩を叩き込んでくださって、ありがとうございました。

掲載日

2023年6月20日 初出


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