電流駆動回路に出力電圧をNFBするとどうなるか、計算してみました。
もともと真空管もバイポーラトランジスタもFETも電流出力デバイスです。 単純にそれらの素子でアンプを作ったら、電流駆動アンプになるはずです。 その電流駆動アンプにむりやり電圧帰還したらどうなるのか、シミュレーションしてみました。
電圧帰還アンプを単純にモデル化しました。
アンプの出力電圧は、出力電流と負荷回路から決まるものとします。
I1 + I2 = A( V0 x sin(ωt) - I1 R2)…式(1)
I1 (R1 + R2) = I2 R3 + L1 I2'…式(2)
式(1)を変形する。
I1 ( 1 + A R2) = A V0 sin(ωt) - I2 …式(1')
I1 = ( A V0 sin(ωt) - I2) / ( 1 + A R2) …式(1' ')
式(2)に式(1' ')の I1 を代入する。
( A V0 sin(ωt) - I2)(R1 + R2) / ( 1 + A R2) = I2 R3 + L1 I2' …式(2')
( A V0 sin(ωt) )(R1 + R2) / ( 1 + A R2) = (R3 + (R1 + R2)/(1 + A R2)) I2 + L1 I2' …式(2' ')
分数の分母には ω2の項があります。 分子は ω cos(ω t)とsin(ω t)の定数倍の差ですから、ω(周波数)が大きくなると、出力電流が減ります。
続く
2025年11月19日 初出