超音波モーターでスピーカーを駆動できないか

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説明

「オーディオは技術的に枯れた分野だから、もう革新的な発展は望めない」と言っている人がいます。 Webmasterはこの意見には、全く賛成できません。

むしろその逆で、「ここ10年程オーディオ分野での方式改良が停まっていた分、発展の余地が増えた」と考えます。 そもそも、現在のオーディオは、CDに記録された信号をきちんとリスナーの耳に届けることができていないのではないでしょうか。 DAC LSIに高ビットレートのハイレゾを送り込んで満足ではなく、DAC LSIの出力するアナログ信号を低歪でスピーカーから出力できてはじめてハイレゾを自慢できると思います。

CDDAの16bit精度でも、ダイナミックレンジ90dB(最大振幅32768、最小振幅1で考えています。最小振幅0.5にするとDC成分が出てきてしまうので)を、アナログ増幅のアンプ、ケーブル、スピーカーこみで最後まで保証できていないのではないでしょうか。

しかも方式論まで戻って考えると、電力を空気振動に変換するスピーカーのほとんどが電磁石の原理で動作していて十分なのかが気になります。 個人的には、現行オーディオ方式の最大の弱点(信号の変換が最も非線形になっている場所)だと思っています。

そこで、電磁石の原理ではなく超音波モーターで空気振動を起こす方式を提案します。

基本的な考え

スピーカーは、空気振動を起こす部品です。 電磁石の原理を使いながら設計者の期待する空気振動を起こすために、電力増幅回路に電圧や電流でNFBをかける方法が提案されてきましたが、そもそも、電磁石の原理でコイルと紙のコーンを駆動する発想から離れたほうが良いのではないかと考えました。

電力を使って物理的な物体を動かす方式で、高精度、高速度応答の技術を探していて超音波モーターにたどり着きました。

今すぐ実用化できるとは思いません

新しい技術的アイディアを提案すると、必ず「うまくいくはずがない」と反論する人が出てきます。

今から20年以上前のことですが、三菱電機の社内ネットに『趣味のマッドサイエンス』というネタを投稿していたことがあります。 複数のネタの一つに、安価な冷暖房がありました。 「井戸水の温度が一年中ほぼ同じであるのを応用して、居室と地熱で熱交換すれば大気と熱交換するより効率が良い。ただし地中の熱汚染の影響を考慮したほうが良い。」というものです。 当時の上司である課長には、「中田のアイディアはいつも荒唐無稽すぎる。」と非難されました。 もしもこのとき真面目に取り合っていれば、特許がとれて大儲けできたのではないかと思います。

超音波モーターでスピーカーを作る話も、「現行技術では、これこれの問題があるから実現不可能だ」と言われそうです。 Webmasterは、「ジャンク屋で手に入れたキヤノンのAFレンズをバラしてスピーカーを作ろう」と言っているのではありません。 方式としての可能性を言っています。 実用化のためには、モーターの形状、駆動周波数、材質などこれから検討しなければならない問題が出てくるでしょう。 途中まで試して、「21世紀の技術では実現不可能なことがわかった」というオチになるかもしれません。 それでも試して見る価値はあると思っています。

2016年12月19日 初出


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