LM4880のカップリングコンデンサをOPアンプに置き換えてみた

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説明

LM4880は、ヘッドフォンドライブ用のLSIです。 データシートの回路例は入力、出力の両方にカップリングコンデンサが入っています。 試しに、入力のカップリングコンデンサをOPアンプに置き換えてみました。 誰かがとっくの昔に試していそうな気がしますが、自分のための備忘録も兼ねて記録しておきます。

理屈

LM4880は、ヘッドフォンドライブ用のLSIです。 OPアンプを改造して、主に出力電流を増やしたものと考えても間違いではありません。 コストダウンを目的として単一電源(GNDと+5Vとか)で駆動する設計になっています。 一般のオーディオが扱う電圧(GNDを中心に±に振れる)は、マイナスになった途端LM4880が扱えなくなります。 そこで、LM4880ではGNDと電源の中間の電圧を仮のグラウンド電圧として扱います。 電源が+5Vならば、中間電圧は2.5Vになります。 入力電圧も出力電圧も2.5Vを中心に上下していて、下限0Vと上限5Vをはみ出すことができません。 入力電圧の中心を0Vから2.5Vにシフトするため、データシートにはカップリングコンデンサが書いてあります。 カップリングコンデンサの代わりにOPアンプを使っても中心電圧をシフトできるので、作ってみました。

回路図

KiCADで書いた回路図

Webmasterの趣味で、実体配線図に近い回路図になっています。

出音を確認してみた

ヘッドフォン駆動にLM4880を使う事それ自体で、出音に強い特徴付けをしているような気がします。 過去に自分が作ったカップリングコンデンサを使ったLM4880回路と比較しても、大して違いがわかりません。 あえて言うならば、カップリングコンデンサの品種で音色が変わるより、OPアンプ変更による音色変化のほうが小さいような気がします。 現実問題としてLM4880を積極的に使用するようなメーカー製品は、コストが厳しいのでこの回路は採用しないでしょう。

想定問答集

OPアンプと抵抗で作った2.5Vは抵抗値の誤差でLM4880が内部で作る2.5Vと若干ずれるのでは?
そのとおりです。それでもこの回路は問題なく動作すると考えます。なぜかは自分で考えてみてください。
出力のカップリングコンデンサは省略できないの?
いろいろ考えてみましたが、うまい方法を思いつきません。 入力段のOPアンプを追加してLM4880も2個使って差動にできるでしょうか?
この回路の最大の利点は?
入力ボリュームをいくらいじっても、入力インピーダンスを一定で高い値にできることでしょうか。 抵抗をパラに入れて入力インピーダンスを75Ωとかに下げることは簡単にできます。

更新日

2017年10月6日 初出


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