第13回1ビット研究会発表資料の補助資料から転記します。
ハイレゾブームに対するWebmasterの感想です。
発表日2016年6月22日直前に書いた文章であり、2019年1月現在の視点では古くなっている記述も残します。
本屋にあふれているオーディオ雑誌を読むと、それらしいことが書いてある
いわく、「波の形に表現できる細かさ(振幅方向も時間軸方向も)が上がったデータで、例えばCDの6倍の情報量を持つ」
あれ? 我が家のCDの中には、SBMなどが流行った頃に買ったもので「従来のCDの16倍の情報量が入っている」と自慢しているものもある
こっちの方がハイレゾより高音質なの?
記憶によるとこんな説明だった(今回の発表のためにCDコレクションをひっくり返して探してみたけど現物を発掘できなかった)
「新技術でCDの16bitにマスター音源の20bit情報を入れられるようになった。20bitは16bitより16倍細かい情報が入れられるので、情報量が16倍になった。」
当時こんな疑問が浮かんだ
もしかして、この話はいまや存在しなかったことになっている?
触れてはいけない話題だった?
この話をすると半分の人には信じてもらえないが「webmasterは体調の良い時に20kHzのサイン波が聴こえることもある」 静かな場所で8時間睡眠した直後には聞こえるが、その後CDアルバム1枚分を聴くと、20kHzは聞こえなくなる
擬音で表現すると、20kHzのサイン波は「キシキシキシ」という不快な音
なぜ普通の人に聴こえる音域の擬音で表現できるのかは不思議
認知心理学の人に研究してもらいたい
高域が聴こえると良いことより悪いことのほうが多い
CDが開発された直後に、次のような海外の研究結果を紹介する記事が朝日新聞に載った 「バイオリンの録音を加工して人間に聞かせると、20kHzオーバーの3次、5次高調波の有無を認識している」 続報を知りたいのだが、情報源にたどり着けないので放置している
ハイレゾを大々的な売り文句にしている日本の某オーディオメーカーも、製品カタログを見ると『リスナーに20kHzオーバーが聞こえているかどうか』について非常に歯切れの悪い表現をしている
例えば、アーティストにハイレゾオーディオを渡して『禁断の100kHz』を聴かせたとキャッチコピーがあったが、なぜ『禁断』なのか表現していない
さすがに今ではブラウン管でNTSCを見るときの水平同期周波数17.5kHzを聞くことはなくなった
スイッチング電源のスイッチング周波数も、今ではほとんど可聴帯域外に移行したので、単独では聴こえない
ただし、複数のスイッチング電源を並べると、可聴帯域の唸りが発生することもある
同じ環境にいると、連続して届いている可聴帯域の高周波は心理学的なマスク効果が働いて聞こえなくなる
良いことなのか悪いことなのか... 生活のためには有利
例え話 その昔、地上波TV放送局がアナログ放送を続けながらハイビジョンへの移行を始めた頃
ニュースの取材をディジタルハイビジョンで記録するようになったら、マスター録画品質向上によりアナログNTSCの受像機で見ていても再生品質が向上した
同様の現象で、ハイレゾブームが可聴帯域の再生音質向上に役だっているのかも
例えば、こんなことが起きるかも?
マスター音源のサンプリング周波数を上げれば、ノイズシェーピング効果を得やすいのは事実
(a)のケースでは、様々なメリットがある
(b)のケースでは、周波数帯域が変わっただけで、CDDAの再生と同じように外付けLPF特性で苦労する
ハイレゾ音源に入っている信号のf特はどっち?
ハイレゾ再生機器のf特はどっち?
フルディジタルアンプの出力はPWM方式なので、出力には可聴周波数帯域以外にPWM周波数がノイズとして付加されている
PWM周波数をカットするためのLPFが必要なのだが...
フルディジタルアンプを無理にハイレゾ化しようとしてLPFのカットオフ周波数を上げると、PWM周波数の減衰が難しくなる
ハイレゾで増えたデータ量を正当化できるほどの聴覚上の効果があるのか?
1bit研究会補助資料から転記 2019年1月26日
2019年2月11日 表記修正