コラム 東京港野鳥公園とカモメ

9年ほど前、東京港野鳥公園には多くのカモメが来ていました。 冬はユリカモメ、夏はウミネコが群れを作り、汐入りの池の杭の上を占領していました。 東京港野鳥公園のホームページで見られるカモメの姿は、その頃のものです。 ところが、1995年ころを境に全く来なくなってしまいました。 1999年に久しぶりに現れましたが、まだ全盛期と比べると数が違います。 なぜ、カモメが消えてしまったのでしょうか。

私が聞いた仮説1

昔、近所の埋立地にゴミの最終処分場があって、そこでカモメが餌をとっていたが、 最終処分場がなくなって餌がとれなくなったので移動したのだ。

私が聞いた仮説1への反論

ゴミ処分場がなくなったのがカモメ激減の理由ならば、 カモメは野鳥公園の周囲から全くいなくなるはずである。 実際は、野鳥公園には入らないものの、周囲の運河にはたくさんいる。

私が聞いた仮設2

カモメが減少した時期、 東京都の予算消化のため無理やり観察小屋を増やしたことがあった。 この工事の騒音を嫌ったり、ちょうど着陸コースに障害となる観察小屋ができたために、 野鳥公園を避けるようになったのではないか。

この仮説が正しいかどうかはわかりませんが、今でもカモメはなかなか来ません。 新しく作った観察小屋も、使われてはいません。 この小屋に行くためには、見晴らしのよい通路を通らなくてはならないので、 東淡水池、汐入りの池の両方で人の姿を見た鳥が逃げ出す恐れがあります。 観察小屋まで地下道を掘ればいいのかもしれませんが、 そのための工事でまた野鳥が減ってしまったら、 なんのための野鳥公園かわからなくなってしまいますね。