コラム モラルのない人たち

1999年10月31日に東京港野鳥公園第2観察舎を占拠した人たちは、異様でした。 この件についてはアサヒカメラに投稿して、 2000年2月号のフォーラムに載っていますが、この機会を利用して再度述べます。
この人たちは、行動だけでなく外見からして特殊です。 その特徴は、以下の通り。 私は、基本的に他人が何をしようが気にしないたちです。 ただし、条件が一つだけあります。 それは、周囲に迷惑をかけないこと。 自分の目的のために周囲に迷惑をかけるような無責任な人間は、半人前とみなします。 彼らにしてみれば、私が半人前扱いしたところで気にしないでしょうが。 写真を撮りたければ、撮ればよいのです。 ただし、自分が撮影しないときは、他人に譲る配慮が必要です。
どうも、写真マニアの中には、 自分の目的のために手段を選ばない人が一部いるみたいですね。 野鳥公園以外でも、 北海道の原野を走る蒸気機関車を撮影するのに木の枝が邪魔だと言って、 国定公園内の伐採禁止の木の枝を切ってしまう輩がいるそうです。 また、私が全東京写真連盟主催のモデル撮影会に参加したときも、 金を払って参加している私にレフ板持ちをさせて怒鳴りつける輩や、 モデルを2階の手すりの上に立たせたりする非常識な輩がいました。 私は金輪際、全東京写真連盟の撮影会に参加しようとは思いません。
まあ、写真に限らず非常識なマニアはいます。 アニメーション分野のおたく、インターネットの掲示板で喧嘩するもの、 同人漫画即売会に殺到して周囲を押し倒して怪我をさせるもの、 公道で自動車の無謀な運転をする中小企業の社長、枚挙にいとまがありません。
こういう連中は確信犯だから注意しても反省しないので、対処のしようがありません。 アサヒカメラの私の投稿は締めの文章が変更されて 「注意しましょう」となっていましたが、 注意してナイフで刺されるのはごめんです。 本当は「(アサヒカメラ執筆の)皆さんはどう思いますか」という結びだったのですが、 執筆者もどうしようもないと思ったのでしょうね。 カメラメーカーも機材を売りっぱなしにするだけではなく、 少しはモラル向上のキャンペーンでもしてもらいたいところです。 もっとも、カメラメーカーにしてみれば、 こういう連中の方が高価なカメラを次々に買い換えてくれるので、 良いお客さんだと思っているのかもしれません。 困ったものですね。
2000年の9月に、カメラマニアの一人と2号観察舎で再会したのですが、 今度は一人で来ていて、手には双眼鏡を持っていました。 行動に周囲への配慮が感じられ、野鳥の知識を増やそうと努力するあたり、 まともな方向に向かいつつあって良いことだと思いました。