コラム 東京港野鳥公園と猫
東京港野鳥公園内には猫や犬がいます。
しかし、外から公園に紛れ込んだわけではありません。
どこから来たのかと言うと、ペットとして飼われていた犬や猫を、
こっそり捨てに来る人がいるのです。
捨てに来る方は、
「野鳥公園なら餌の野鳥がたくさんいるから、生きていけるだろう。」
と考えているようですが、世の中そんなに甘くありません。
犬の場合狂犬病予防で取り締まる法律があるため、
野鳥公園が業者を呼んで定期的に駆除をしています。
猫は駆除できませんが、生きていくのは大変です。
人間から餌をもらって生きていた猫は、
急に野良になっても生ごみをあさるくらいしか餌をとることができません。
野鳥を捕まえるのはまず無理ですし、カラスなどは集団で猫を襲ってつっつきまわし、
殺してしまうこともあります。
カラスにしてみれば、殺される前に殺してやろうということなのでしょう。
ペットを捨てに来る人を非難するのは簡単ですが、私は妥当だとは思いません。
都会に住むとわかりますが、
「急な転勤で家を替わることになったが、ペット不可の物件しか見つからない。」とか、
「ペット可のマンションを探して住んだのに、
自治会でペット禁止決議が出され飼えなくなった。」
なんてことはいくらでもあるのです。
野鳥公園に毎月通っている私ですが、猫を見かけることは多くても、
同じ猫を何度も見ることはありません。
野鳥公園に暮らす、野鳥、猫、人ともに生きていくことの大変さを知っていますが、
捨てに来る人はわかっていないのでしょう。
野鳥公園に通う某有名政治家が、
その中の猫を一匹自宅に連れ帰ろうとしたことがあったそうです。
そのときは、動物嫌いの奥さんに反対されて、結局連れて行けなかったとか。
東京港野鳥公園にペットを捨てるのは捨てる人の勝手ですが、
捨てられるほうはたまったものではありません。