ここでは、 時代の変化と共に歌詞が理解しにくくなった曲をとりあげます。
「お外より熱い車両内じゃ」って、今の江の電は夏でも涼しいです。 でも以前は、クーラーの付いていない車両が走っていたのです。 しかも、運転間隔が長かったから乗客の密度が高くて、 不快指数が急上昇していました。 現在の観光路線となった江の電からは想像もできないお話でした。
この歌は、彼女とけんかして仲直りしようとしている男の子の歌です。 連絡をとるのに公衆電話しかなく、 しかも手持の小銭は10円しかないというシチュエーションです。 でも、いまどきの若者はみんな携帯電話を持っていますよね。 携帯電話がなければ、テレフォンカードで電話するし。 この頃は、小銭で公衆電話を使うのがあたりまえだったのです。
「ピンチのウルトラマン」というフレーズが出て来ますが、 これも解説しないとわからない。 ウルトラマンは地球上では3分間しか活動できません。 この歌ができたとき、公衆電話に10円をいれると3分間話せたのです。 つまり主人公はその3分間で彼女に謝って、 ご機嫌をとらなければならないという点でウルトラマンと同じ立場なのです。 でも、今は10円では1分しか話せません。 さすがに1分では彼女も許してくれないでしょうね。
「片面が終る、裏面が始まる」さあ何の事でしょう。 私と同世代でカセットテープのウォークマンを使った人ならわかりますね。 レコードやCDをカセットに入れる場合、 46分とか54分とかその長さに合ったテープに録音するのですが、 カセットは半分終ったところでひっくり返して裏面に録音しなければなりません。 当然聴くときも、まん中でひっくり返します。 当時、テープを取りださなくても、テープが終りまで行ったら自動的に テープの走行方向が逆転して裏面を再生するものもありました。 オートリバースとかいって威張っていたのですが、今や死語ですね。 みんなMDやメモリースティックウォークマンを使うようになったから、 ひっくり返す必要はありません。 メモリーカードをひっくり返したら、それはそれで面白いような気もしますけど。
似たようなものに両A面シングルがありますね。 レコード時代は裏表に音楽が入っていて、シングルの場合表に1曲、 裏に1曲入れるのが普通でした。 表=A面,裏=B面ということで、2曲の間に区別があったのです。 これを逆手にとって「どちらも表だよ」と言ってしまうのが 両A面シングルでした。 でも、CD では、同じ面に 1曲目2曲目として入るので、 どちらが優先されるかわかってしまいますね。 中には曲A、曲B の順番で入っているものと 曲B、曲Aの順番で入っているものを半分ずつ出荷するアーティストもいます。 これは CD 時代の両A面なんでしょうか。 なんか、コレクターに両方買わせるための方策のような気もしますけど。
2003年7月15日 追記