ATRAC よお前もか

MD は今やポータブルオーディオの中心的存在です。 小さな MD メディアにディジタルオーディオを収めるため、 データには圧縮がかけられています。 この圧縮による音の劣化について述べます。

我が家にもようやくMD デバイスがやってきました。 特別欲しかったわけではないのですが、研究目的としての購入です。 さっそく、ロックを録音、再生して音をCDと比較してみました。

結論を言うと、MD の音は CD よりも劣化します。 CD より下で、mp3 よりもましといったところです。

ロックを録音すると、再生時にノイズが乗ります。 砂浜で波がしみ込むときに聞こえる「パチパチ」という音が、 常に背景で鳴っているような感覚です。 また、一度に演奏する楽器が増えるにつれて、 オーバードライブエフェクターを使用しているかのように、歪が増えます。 mp3 とは違って、 単体で聞かされれば圧縮されていることに気づかないかも知れません。 でも、オリジナルのCDと聞き比べれば、違いは明らかです。 CD の音って、こんなにクリアーでマイルドだったのかと驚いてしまう程、 ATRAC の音は歪んでいます。

私は個人的に MD は使用したくは無いですね。 単品オーディオに MD レコーダーがあることが信じられないくらいです。 でも、いじりがいはありそうです。 MD の特性に合わせたノイズリダクションとか、 オリジナルの CD の音を予測、合成してしまうアルゴリズムなんかで 特許がとれそうです。 後者は、Pioneer のレガートリンクコンバージョンに似ていますね。

私は思うんですけど、 音楽の高圧縮を目指すなら mp3 や ATRAC のようなアプローチではだめで、 通信カラオケの MIDI のように、 楽器単位で音源を分離しないといけないのではないでしょうか。

2002年8月16日 記


back button もどる