古いPCに久しぶりに電源を入れて、OSをインストールしようとしたときのトラブルフォローです。
特定の条件で発生するトラブルの説明です。
数年前のIntelパソコンに久しぶりに電源を入れて、OSをインストールしようとしたら、アップデートモジュールがインストールできないとか、ネットからdebパッケージが取得できないというトラブルがあります。 OSはWindowsでもLinuxでも起きます。
考えられる原因の一つは、マザーボードのバックアップ電池が放電していてクロックが初期化されていることです。
なぜクロックが初期化されていると問題なのでしょうか。
クロックが初期化されると、BIOS(EFI)の都合で1970年1月1日とか2000年1月1日とかの過去の日付に設定されて再起動します。
OSをインストールするときにネットから持ってくるアップデートファイルやパッケージは、SSLプロトコルで取得します。 SSLプロトコルは証明書と暗号の組み合わせで動作しますが、日付が過去になっていると、パソコンから見て未来の時刻に有効になる(まだ無効な)証明書だと思われてしまいます。 証明書が無効だとSSL通信そのものが信頼されなくなります。 その結果、SSLでアップデートファイルやパッケージを取得することができなくなり、OS、インストールがトラブルになるのです。
対策は、一時的なものはBIOS(EFI)で現在時刻を設定すること。 もっと重要なのは、マザーボードのバックアップ電池を新品に交換することです。 もちろん、電池交換したら時刻の再設定も必要です。
2022年11月15日 初出