ディジタルカメラのセンサー出力

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説明

ディジタルカメラの中には、 センサー出力を RAW という形式でダイレクトに出力できるものがあります。 RAW 形式は、一般の画像形式に変換しないと扱えません。 この変換のときに、様々な画質調整が行われています。 ここでは、画質調整をしないでセンサー出力に近いデータを取り出し、 ディジタルカメラのセンサーの素性に迫ってみたいと思います。

変換ツール

まずは変換ツールを紹介します。 自分の環境に合ったツールを持っていって、実際に変換してみてください。 コマンド実行時の引数は RAWファイル名 だけです。 出力は BMP ファイルになります。

対応OSファイルサイズバージョン日付
Linux i386変換コマンド directraw.i386.bz2186,490 Byte-2004年7月4日
Linux ppc変換コマンド directraw.ppc.bz2195,267 Byte-2004年7月4日
Windows DOS窓変換コマンド directraw.lzh76,750 Byte-2004年7月4日

変換結果

いかがですか。 何か発見はありましたか。 私が気づいたのは、以下のような点です。

  • FOVEON センサーは彩度が低い
  • RGB のカラーバランスが極端に偏っている機種がある
  • 適性露出でないような暗い画面の機種がある

それぞれについて、説明してゆきましょう。

FOVEON センサー

FOVEON で撮影した画像はこのツールでは彩度が低くなります。 色が鮮かな状態の逆で、グレーっぽい地味な色です。 実は FOVEON センサーの出力はこんな感じで、 現像プログラムで鮮やかさを強調してやる必要があるのです。

彩度を強調する必要があるということは、 色に関する情報が足りないということでもあります。 明るさが一定で色が別の色へとなめらかに変化しているような場合、 FOVEON の出力では色の変化がなめらかに見えない場合も考えられます。

カラーバランスの偏り

FOVEON でないセンサーの場合、 モノクロセンサーの前に色付きフィルターを置いて、色を検出しています。 このカラーフィルターの明るさが、色によって偏っている機種があります。 例えば、RGB センサーで明るさ 100 の白い色を撮影したとしましょう。 理想的には R、G、Bそれぞれのセンサーに 100 のデータが出てきて欲しいです。 しかし、R = 90、 G = 100、 B = 100 なんて値になったりします。 そんな機種では Rの値だけを 1.1 倍する必要があります。

明るさの偏りが少ない場合には、あまり問題がおきません。 しかし、2倍以上になると誤差に影響してきます。 例えば、Rの感度がG、Bの感度の2倍で、各センサーの感度が12bit のカメラを考えてみましょう。 センサーの感度が12bitということは、0〜4095 の数値で光を測っていることになります。 真っ暗な場所では R、G、B共に出力は0です。 明るさ 100 の白(暗いからダークグレーと言うべきか)を撮影すると、 R = 200、G = 100、 B = 100 の出力が出てきます。Rだけ感度が倍なので出力も倍です。 撮影するものをどんどん明るくしてゆくと、明るさ 2048 の物を撮影したときに R = 4095、G = 2048、B = 2048 になります。 G や B のセンサーにはまだ余裕があるのに、R のセンサーは最大出力になっています。 このように Rが先に飽和してしまうことで、G、B のセンサーに余裕があっても、 もうそれ以上明るいものを撮影できなくなってしまうのです。 見方を変えると、G、Bのセンサーは 0〜4095 の測定ができるのに、 実際に使えるのは 0〜2048 の範囲になってしまいます。 センサーの出力は12bit だったのに、11bit 分しか使えなくなってしまうわけです。

露出

このツールで変換すると、画面が暗くなってしまう機種があります。 これはカメラの故障ではありません。 その証拠に、同じカメラ、同じ状況で JPEG を撮影すると普通の明るさで記録されるからです。 なぜ RAW 出力が暗くなっているのかは、想像するしかありません。

一番可能性の高いのは、センサーの出力が非線型だということです。 つまり、明るさ 100 の2倍の明るさを撮影しても、 200 のデータが出てこないようなセンサーになっているケースです。 センサーの特性をカバーするために、 撮影後にγ補正が必要になっているのでしょう。

応用

このツールを応用すると、いろいろなことが判るはずです。 例えば、ISO感度と露出を固定して違う明るさのものを撮影したときに、 センサーの出力がどう変化するかとか、 ISO 感度やシャッタースピードによる実際の感度変化などが測定できます。 カメラ雑誌のレポートなどに使えそうですね。

あまりやり過ぎると、メーカー側に対策されてしまうでしょうけど。 RAWデータを記録する前にカメラの中でデータをいったん細工するとか。

2004年7月4日 初出


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